家族葬とは何?父のお葬式を終えて感じた葬儀との向き合い方
突然ですが、家族との「お別れ」って考えたことありますか?
なかなかその時にならないと考えないことですよね。
けど、頭の片隅に、お別れがどんなものであるのかを知っておいてもらえたら何かの役にたつかも。
今回は私の経験した家族葬についてお話していきます。
「自分の両親の葬儀が将来的に不安かも。」
「家族葬でもいいのかな?」
「予算的に家族葬がいいけど、もっと立派な葬儀の方がいいのかなぁ。」
などなど、家族葬やお葬式ってよくわからないけど、そろそろ何か知っておかなきゃ!
なんて考えているアラサー女子のためにお葬式のアレコレをまとめました。
お葬式の話は親が元気なうちに書面に残して話しておこう!
「お葬式の話は親が元気な時にしておくべき。」
今回、私が自分の親のお葬式を経験して一番に思ったことです。
私の父は「食道ガン」でした。
食道ガンの手術の途中で肝臓への転移も発見され、ガンが発覚して1年でこの世を去りました。
「ガン」が分かってから壮絶な抗がん剤治療と手術、転移・・ それでも「頑張って治すんだ!」と言っている父に「葬儀」の話なんでできるはずもなかったです。
でも、「元気」ならどうでしょう。
人それぞれ、死に対する思いは違うと思いますが、おおよそ死ぬのは順番であって子が親の葬儀を執り行うのが世の中の流れでもあります。
元気なうちに「どんなお葬式をしたいか」という希望を聞いてあげることは大切なのかなって、そう思います。
病気になって気弱になっている状態でお葬式の話をするのは、聞く側も聞かれる側も多くの精神力を使うことになるし、お互い言い出しにくいことにもなるでしょうから「元気なうちに!」が一番です。
最近は「エンディングノート」や「終活」なんていう言葉も認知されてきていますよね。
エンディングノートは無料でダウンロードできるものもありますし、1,000円前後でインターネットや本屋、文房具店で購入できます。
私も残された母と一緒にエンディングノートをこれから作っていこうと思っていますo(^o^)o
家族葬はちゃんとした式ではないの?
家族葬は、かなりちゃんとしたお葬式だと思います。
- 一般葬
- 親族だけでなく、友人や会社関係の方にも広く会葬してもらう定番のお葬式タイプ。
- 家族葬
- 身内やごく親しい方のみで見送るタイプ。人数やプラン、金額などは多岐に渡ります(首都圏の葬儀の約6割は家族葬!)
- 直送
- 葬儀・告別式を行わず、直接火葬を行うタイプ。
お葬式の種類(一例)
お葬式にもいろんな種類がありますが、私たち(私と母)が家族葬を選んだ理由は、父がそれを望んでいたからです。
というか、元々は家族葬もしなくていいし、戒名もいらない、お墓もいらない!なんて言っていたので、家族葬を選んだ私たちのやり方は、故人(父)の希望とは若干違ってしまったのですが・・
でも、私は家族葬をしてよかった。
と思っていますし、母もそう言っています。
私達が本人の意思と関係なく家族葬をしたのには理由があります。
きっと実は、自分たちのためだったから、と思うんです。
結局、お葬式や戒名が不要であっても、法律で決まっている事なので「体を燃やしてもらう必要」がありますね。
文章に書くと簡単かもしれませんが、法的な処理も行うのでとても大変な作業になります。
1、遺体を病院から搬送する。
自家用車で遺体を搬送しても法的には問題はありません。※ただし遺体の搬送には死亡診断書は携行義務があります。
ですが、大きめのバン等でなければ運ぶのも難しいですし、台車のようなものも必要になります。
2、遺体を保管する
火葬まで自宅に保管することになります。
人間ですから当然腐ってくるので臭いもしますから火葬場の空き状態では時間がかかる場合もあります。
3、死亡届を提出する
病院で予め死亡診断書を書いてもらうのですが、これは何も言わなくても用意されるものなので安心してください。
死亡診断書を市区町村役場に提出すると死亡届が提出できます。
死亡届がないと火葬や埋葬の許可がおりません。また許可が下りた場合は埋火葬許可証が授与されます。
4、火葬場の予約
お葬式を行わない場合は、そのまま火葬する事になるので予約をします。
混み合っている場合、すぐには火葬できません。また火葬場に行くまでの車の手配なども必要になりますし、骨を入れる骨壷も用意します。
燃やせる服などの種類もあるので注意が必要です。
・・・とざっくりですが、人が亡くなって骨になるまでのやらなければならない事です。
これを悲しみの中、自分でやらなければなりません。
でも、葬儀屋さんに依頼することによって、代行してくれる部分が増えるんですね。
なので、言ってしまえば「楽」なんです。
それに、遺体を葬儀場で預かってくれるので父が亡くなった暑い8月に家に長時間置いてあげるのも大変な作業だったと思います。ドライアイスの手配も必要ですし、マンションですから遺体を運び入れるのにも大変な苦労をすると思います。
そんな大変な作業などを低料金でお手伝いしてくれるのが葬儀屋さんなどで執り行っている家族葬なのだなと、私は思います。
それに、家族葬にした一番の理由って本当は私たち残された人間がしっかりとお別れをするためのものでもあって、お葬式をあげることによって気持ちに整理が少しずつ付けやすくなるっていうのが本音です。
結局、死んでしまえば生きている人間がしてあげられることって限られてしまいますからね。
家族葬にしてよかった理由。
私たちが家族葬を選んだ理由はそもそも父が生前に葬式も戒名もいらないと言っていたのもあって、小さいお葬式として家族葬を選びました。
本来であれば何もしないのが故人(父)の思いでもあったのですが、家族葬にして本当によかったと思います。
理由をお伝えしますね。
1、自分たちの気持ちの整理、お別れの為。
何よりも、残された私達がちゃんとお別れできたのがよかったと思います。
「ちゃんとしたお別れ」って何?と言われたらなにも答えられないのですが、上記でお伝えしたように、人が亡くなって火葬するまでにやらないといけない手続きって多いんです。
バタバタしながらあっという間に骨になってしまうのは寂しいことかもしれないと感じるんですね。
お経を読んでもらっている間に父との思い出が頭を巡ったり、親戚と父の話をしたり…父を思い出すことができたのはお葬式の間でした。
ある意味、お葬式って残された人たちのためにあるのかな・・
まだまだ、私自身気持ちに整理なんてついていませんから、なんとも言えないのですが、お葬式をあげてよかったと思っています。
2、わけわからないうちに終わっていかない。
お葬式を家族葬にしない場合、職場関係の方や友人など亡くなった人を知っている人が多く来てくれますよね。
父の場合は家族葬にしたので、職場の人や友人がお葬式の間に来ることがありませんでした。
お葬式を挙げるというお知らせをしなかったんです。
だから、お葬式の間にも気持ちに整理がつけやすかったと思います。職場の人や友人が来てくれるのは嬉しいことですが挨拶もしないといけませんし、色々と気を回さないといけませんよね。
しかも、私の場合離れて暮らしてしまっていたので、父の職場の人や友人関係なんて殆どわからない状態なんです。
お互いがわからない状態で挨拶をするのは、大変ですよね。
「娘さんだよな…」と思いながら「この度は…」と言われ、「生前は父がお世話に…」と…。
挨拶をしている間にお葬式ってあっという間に終わってしまいますが、家族葬はそういった挨拶がほぼない状態です。
というか私はなかったので、しっかりと父の死をお葬式で受け入れることができたと思います。
私たちはお葬式が完了したあとに亡くなったお知らせをハガキで出しました。
「故人の希望により家族葬を○月○日に行いました」という内容と共に、生前にお世話になったお礼などが印字されたハガキを葬儀場で用意してくれたのでそれを発送し、お知らせをしました。
3、大変なことは葬儀場にお任せできた。
私達が葬儀に関しておこなった手配はお寺さんとの日取りの決定程度でした。
あとは葬儀屋さんのほうで火葬の手配や火葬場での食事の手配等もやってくれましたし、車の手配ももちろん行ってくれました。市役所に埋火葬許可証をもらってくれる手続きもやってくれました。
なので、私達がやったのは祭壇に置くお花や骨壷を選んだりするだけだったので、あちこちバタバタと動かないといけないことがなかったことが、体も楽でした。
4、本当に親しい人が自宅に来てくれる。
お葬式が終わった後のお話になりますが、家族葬を行った場合、自宅にお線香をあげに来てくれます。
自宅に来るぐらいの人ですから、それなりに父と付き合いの濃かった人が来てくれるんですね。
職場関係の人はある意味「付き合い」で葬式に顔出ししないと…というのもありますが、そういった人はこないのでお互いが楽ですよね。
また、小さい家族葬にしたので親戚も遠方にいる親戚がわざわざ新幹線に乗ってホテルを手配して…とまでもしなかったんです。(体が少し不自由な親戚もいるので…)
遠方の親戚は心のこもったお手紙をくれ、父が慕われていたのがよくわかりましたし、正直なところ遠方の親戚もこちらまで新幹線に乗って葬儀に出席するのは大変だと考えてしまった部分もあった様子でしたから、そういった面でも家族葬はいいと思います。
5、正直言って費用がコンパクト。
お葬式は規模が大きいと、それなりに費用もかかりますよね。
家族葬の場合は、一般葬と比べると費用がコンパクトに収まる場合が多いです。
私たちの家族葬の場合ですが…全部80万円ぐらいで収まりました。
人によってプランがそれぞれあるのでもっと安くなる方もいると思いますし、高くなる場合もあると思うのですが、安めの死亡保険で賄えるほどの費用ですよね。
100万円あれば、全てが完了したと言えます。
残された家族には生きていく上でお金は必ず必要なものになりますから、少しでも多くとっておきたいものですよね。
お別れはちゃんとしたいけど、お金を考えたら…という思いも叶えてくれるのが家族葬だと思います。
もっと費用のかかならないプランもありますから、安心してくださいね^^
私が経験した家族葬の流れ
1、病院で看取る
病院に直接葬儀場の人が来てくれ、葬儀場にて遺体を安置してもらいました。(看護師さんが連絡をしてくれました)
本来であれば自宅に一度、帰らせてあげたかったのですが住宅の事情でかわいそうでしたが、そのまま葬儀場へ向かいました。
2、葬儀場での打ち合わせ
亡くなったのが夜中だったので、翌日葬儀の打ち合わせを行いました。
この際にお寺さんの予約をします。
また、お葬式中に使う祭壇のお花やお棺、骨壷、火葬場までの車(霊柩車のスペック等)こんな細かいことまで?!と思うようなことも決めていきます。
ちょっと時間がかかるかもしれませんが、カタログの中からの選択式で費用もしっかり書かれているので費用を考えながら選ぶことができます。
3、お通夜
お通夜も家族だけで執り行うことになったのですが、職場の方がどうしてもということで5名。
それから親戚の方が1名、参列してくれました。
最終的には…
- 母(喪主)
- 私たち家族(私、子供1名)
- 父の妹家族(ご主人と妹本人)
- 父の母親
- 本位牌
- お墓
- 仏壇
- 納骨
- 四十九日法要
- 入院時の精算
- 保険会社への連絡
- 銀行が止められてしまう前に現金の引き出し(思ったよりゆっくりでもすぐに口座は凍結しませんでした)
- 勤務先への私物の引き取り
- クレジットカードなどの契約解除
- 母の社会保険から国民保険への切り替え手続き(これは急いだほうがいいかも…)
- 水道やガス、電気の名義人や引き落とし口座の変更
- 自動車の処分(母は車の免許がないため不要になったので父の妹が引き取ってくれました)
の大人5名と子供1名。
と上記の5名+1名と本当に小さな小さなお通夜でした。
実はこの日、娘が発熱してしまい主人と娘は欠席しました。
また、お通夜を行う前に「湯灌」を行うのでお通夜の時間より前に葬儀場に行くようになります。
※湯灌(ゆかん)とは 、葬儀の前に遺体を入浴させて身を洗浄することです(地域により差があり)
4、葬儀(お通夜の翌日に葬儀は行います)
家族葬といえど、ちゃんとお経を読んでもらってお焼香も行います。
最近は初七日はお葬式と同時に行ってしまうのが一般的なので、私たちもそうしました。
宗派などによってそれぞれあると思いますが、小さいお葬式だから何かをしないで省くなどのようなことはないので、安心してもらえればと思います。
5、葬儀後、そのまま火葬場へ
葬儀を行ったあとにそのまま火葬場へ移動します。
この際に自家用車を使うのか、葬儀場のバスなどを利用するのかは事前に選択ができるので、車がない方でも安心してください。
また、火葬場までの道がわからない場合も霊柩車の後をついて行くので問題ないと言えます。
お寺さんの車の手配も忘れないようにして下さい。バスに一緒に乗っていく方もいますし、自家用車で火葬場まで一緒に行ってくれる方もいます。確認しましょう。
火葬場では車をどこに置くのかなど指示を出してくれるので、それに従います。
火葬場に着くと再度、ご焼香があり、お経を読んでくれました。その後、焼き釜の前と骨を拾う際にもお経を読んでくれます。
遺体が骨になるまでに約1時間ぐらいです。この間に昼食や軽食をとるのでお菓子や食事の手配をします(この手配も葬儀場にお願いするとやってくれます)
また、火葬には書類が必要です。その書類もしっかりと持たせてくれるので、安心して大丈夫ですよ^^
6、帰宅
火葬場で骨壷に骨が入り、自宅に帰ります。
この際に仮の位牌(白木位牌)をお寺さんが持たせてくれました。
あと、タイミングを忘れてしまったのですが遺骨を置く台(後飾り壇)を葬儀場から購入しました。ダンボールでできていてコンパクトにたためるものですが、遺骨をおいても大丈夫なぐらい丈夫なものですし、処分にも困りません。
自宅に仏壇がなく火葬後、納骨まで遺骨を置く場所がない方は相談してみてくださいね。
お線香、お線香立て、鐘などもセットで購入ができます。
また、インターネットでも「後飾り壇」と検索すると出てくるのでそちらで用意しても大丈夫です^^
ここまでが、お葬式と火葬の流れです。
でも、この後も色々と手配するものがあります。
納骨のタイミングは地域や宗派によって異なると思いますが、父は四十九日の法要と同時にお墓に入りました。
またお墓に入るタイミングで本位牌を用意するものだと、聞きましたが、それぞれ違った考えもあるので参考にして下さい。
葬儀以外にもやることは多くあります。
「お葬式の話」とは少し話がそれてしまうので、軽く説明させてもらいますが、お葬式以外にも多くの事をしなければなりません。
そんなに急いで事を済ませないと困るものはありませんが、父の場合家主でもあるので色々と手続きしないといけないことが多く大変でした。
と、、これ以外にも、本当に多くの手続き等があって、手続きの内容によっては死亡診断書が必要だったり、入院していた証明書が必要だったり…で、、、
父の場合、病院を4つ程かかっていたので、あちこちから書類を集めるのに大変でした。
念のため死亡診断書と入院の証明書はコピーを撮って保管しておきましょう!
「大変」「大変」としつこいと思いますが、残された人たちは本当に、気持ちの整理をつけながら動かないといけないことが本当に多いんです。
だからこそ、元気なうちに保険証券を一括で集めておく、クレジットカードは必要以外に持たない。などの、死に対する多少の準備なども必要だと思います。切ないですけどね…
でも元気なうちにしかできないことでもあるので、上手に向かい合ってもらいたいと思います。
お葬式の時に役立つメイクと小物
ウォータープルーフでメイク!
お葬式の時はナチュラルメイクで…
なんて、まぁ一般的なのですがナチュラルを目指しすぎて落ちやすいメイクにしない事をおすすめします。
お葬式となれば、涙はどんどん溢れ出てきてしまうもの。
ファンデーションはグチャグチャになるし、鼻水拭いたら口紅もとれてしまう大惨事が顔では起こります。
なので、ウォータープルーフ系のメイクグッツを活用するといいですね。
とは言え、私自身、メイクもする余裕がないほどだったので、顔はいろんな意味で大惨事を起こしたままでした…
ある意味、家族葬で良かったと思います(コラコラ)
冷え対策のストール
葬儀中はなにげに冷えました。
なので冷えに弱い場合はストールは必須アイテムです。
我が家の子供はお経が心地よかったのか熟睡…w
そんな時も、かけてあげられるので安心アイテムです。
ハンカチ× タオル○
葬儀に持っていくのはハンカチではなくタオルがお勧めです。
涙も鼻水も吸ってくれる超吸収のいいものだと、本当にいいですよ!
ハンカチは薄手で意外とすぐにびしょびしょになってしまうものなので、注意してくださいね。
・・・いっぱい泣いたんだね
テッシュ
涙が出る時一緒に出やすい鼻水にはもちろん、涙がでなくてもお線香などの煙に反応して鼻水が出てしまう場合があります。
なので、テッシュは必ず持っておきましょう。
飴やフリスク等
冷暖房と煙で喉がやられてしまう場合があるので必須アイテムです。
飽きてしまった子供にも渡せます^^
最後に・・・
家族葬であっても、亡くなった人を思う気持ちは誰にでもあるので、気にせず家族葬を選んでいいと思いますよ。
逆に、家族葬さえも上げないと自分で行わないことが多く出てきてしまうので小規模でもいいからお葬式をあげて葬儀屋さんの手を借りることも大切なのかも?・・と私は思いました。
お葬式に規模の大きさは関係ないですし、かけたお金の分だけ幸せになれるとも限りません。
大きい葬式でも小さい葬式でもかまいません。
残された自分たちがあとあと納得できるような、そんなお葬式選びをしてくださいね^^
二児の母。長女の小学校入学に胸ルンルンの母シズエ。趣味は、釣りと愛車のお手入れという男らしい一面を持つ反面、コスメオタク&脱毛マニアというまさかのハイレベル女子。きめ細かな心遣いと細かい事は気にしない豪快さで、幅広い層に対応いたします(笑)